
扉の向こうに広がる世界はいかにも、妖しい雰囲気の世界だった。
赤い壁に赤い床、天井からはチェーンやロープが垂れ下がり、壁には様々な道具が吊されている。
なかでも、変わった形の医療器具のようなアイテムは一層妖しい輝きを放っている。
すごく理想的なプレイルーム。
初めてのクラブで幾分、緊張してしまう。もう何年もこの世界にはまっているが、初めてのクラブに行く度に緊張する。
ここは受付をすませると、カギを渡され、先に部屋で待っているシステムだ。
女王様が来るまで、部屋の中をいろいろ物色しながら時間を潰すことになるが、この時間がたまらなく緊張する。実際の時間より長く感じるのだ。
女王様が部屋に入って来る時さらに緊張が高まる。
「はじめまして」と彼女がいい、道具の入ったカバンを持って部屋に入ってきた。
服装は普段着で、いきなり女王様の格好をしているのではない。
そして、大抵のクラブがそうであるように、最初の挨拶やカウンセリングは普通の会話形式で始まる。いきなり女王様言葉ではじまることは無い。
簡単なカウンセリングをする。どんなプレイがしたいのか、どういうことが好きなのか。
そして、シャワーを浴びるようにと促される。
このクラブはシャワーを浴びている間に女王様が着替えるのだ。
まぁ、こういうところのシャワーは1日に何度も使用するために、かなりの確率で調子が悪い。
調子が悪いというより、水圧が低くシャワーの役割を果たしていない上に温度調節が困難だ。熱すぎたり、ぬるすぎたり。冬は困るんだよね・・・
だから、あまり長時間浴びることを避けたくなるのだ。 それに加え、お風呂は短めのほうなので、すぐに出てしまった。
そして、なにも考えずに普通に部屋に戻ろうとドアを開けた。
こういう場合、普通はノックをまずするんでしょうね。
いつもはノックするんですけどね。たまたま、ぼ〜〜〜っとしてたんでしょうね。
いきなり開けたドアの向こうには、器用な格好で、必至にキャットスーツを着ようとしている彼女がいた。その格好があまりにも間抜けで、しかもドアに背を向けていたので、コチラのことに全然気づかず、しばらくその姿を眺めてしまった。
が、あまりにも間抜けな格好だったので、おもわず“ブっ”と吹き出したら、彼女はコチラに気づき顔を真っ赤にして、「なに見てんのよ! 出てってよ!」とすごい剣幕で怒鳴った。
ま、この後想像を絶するハードなプレイになってしまったのは、ボクのせいですが、すくなくとも、この後1年間はプレイすることがありませんでした。 良くも悪くも・・・
※フィクションなのですが、ボクがシャワーを浴びるのが早いのは確かです。